シネマネー(独断と偏見による映画レビュー)

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映画 ベルファストについてのレビュー


映画ベルファストを見てきました。

 

俳優としても活躍する、ケネス・ブラナーが監督・脚本を務めた作品。

最近で言えば、「オリエント急行殺人事件」や「ナイル川殺人事件」で

監督・脚本・主演を務めた事も記憶に新しいですね。

 

北アイルランドベルファスト出身のケネス・ブラナー

幼少期に過ごした自身の体験を元に脚本を書いた自伝的作品。

 

見た感想は……とても面白かったです。

すごくノスタルジックな気分になり、鑑賞後は温かい気持ちになれます。

 

ジャンルは全然違うのですが

どこかニューシネマパラダイスを思い出させるような作品でした。

 

まず、冒頭に現在のベルファストの街並みが映像として映し出されます。

その後、画面がモノクロに替わり、場面が幼少期のケネス・ブラナーが過ごした

当時のベルファストへと移り変わります。

 

街で元気に仲良く遊ぶ子供たちや、すれ違う人すべてに挨拶を交わす大人たちなど

住む人々皆が顔見知りでアットホームですごく活気がある街で、ノスタルジックな世界観が表現されています。

この場面を美化しすぎていて、行き交う人すべてが綺麗にが画角に収まりすぎているとの声もあるそうですが、個人的にはあくまでケネス・ブラナーの幼少期の良い思い出を映像化している映画なので、思い出補正・美化された記憶として、そこも表現しているのではないかと思うので、全然ありだと思います。

 

日本映画でも舞台が昭和になると、皆が優しく温かい人として描かれるのに近い表現かもしれません。

 

そこからまたうってかわって、子供たちが遊んでいた路地に暴徒が大勢現れます。

この時代の北アイルランドの宗教間の戦争が描かれだします。

 

このまま、日常を破壊された家族、北アイルランドの闘争の激化などが描かれていくのかと予想したのですが、まったくそんな事はなく。

 

最初の暴動が終わったあとは、主人公の少年が(ケネス・ブラナーの子供時代)

どうやったら好きな子を振り向かせられるかや、映画を見ることに没頭するなど、

ベルファストで過ごした小さな日常、楽しかった思い出などを中心に物語は展開する事で、アイルランド紛争へのアンチテーゼとして、どうでも良い事として描いたのではないかと思いました。

 

ただ、楽しかった思い出だけではなく。

生まれ住んだ土地から離れなくてはならない雰囲気、父と母の喧嘩、祖父との別れなど

誰しもが一つは体験した事のある、葛藤や苦悩なども描かれており

自身の幼少期を思い出し、照らし合わせ、共感できる映画だったと思います。

 

とても心地の良い映画体験でした。

 

最後に…

主演の子役の子の演技が最高でした!!