シネマネー(独断と偏見による映画レビュー)

好き勝手に記事を書いてます!

邦画 ノイズについてのレビュー(ネタばれ有り)

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初めてブログを開設しました。

こちらのはてなブログさんで映画レビューブログを書いていきたいと考えております。 私の独断と偏見で好き勝手に書きます。

レビューを書いた映画をすでに見た方は少しでも共感して頂ければ嬉しいです。

まだ映画を見ていない方は参考にして頂ければ幸いです。

不快に思われた方は申し訳ございません。 先に謝っておきます。

 

このブログでは映画について私個人的な段階評価を付けていきたいと思います。

 

4段階評価にします。

・映画館で見るべき映画

・新作DVDになってからで良い映画

・旧作DVDで暇な時に見るぐらいの映画

・旧作DVDになっても別に見なくていい映画

 

では、今回は邦画【ノイズ】をレビューしていきます。

1月28日に公開が開始され主演は藤原竜也松山ケンイチ

その他、神木隆之介永瀬正敏など豪華キャスト出演のクライムサスペンス。

 

公開から少し時間をおいて、2月10日仕事終わりにナイター上映を見てきました。

漫画原作という事ですが、原作未読で見ました。

 

映画についてですが、結論から申しますと…

1~2年も経てば、すぐに忘れられるような

量産型くそ映画でした。

 

とにかくつまんない見どころがない豪華キャストの無駄遣い

なにを楽しめば良いのかまったくわかりませんでした。

邦画の悪い部分がふんだんに盛り込まれていました。

 

では実際に私がこの映画がダメだなと思ったところをまずは箇条書きで記載していきます。

①クライムサスペンスなのに犯人側(藤原竜也側)にまったく緊張感がない。

②風貌だけ優秀で中身は無能な刑事

③安易なサイコパス描写で観客側はすごい冷める。

④とにかく丁寧な説明描写は観客側を舐めている。

 

まずから

冒頭、藤原竜也が島の名産品としてイチジク栽培を行い、メディアにも取り上げられ

島全体の復興・活性化に向けて島民たちに希望の兆しが見えていた。

そこにノイズ、元受刑者が島に来て、藤原竜也たちの日常を脅かす。

口論の末、勢い余って元受刑者を殺してしまう、藤原竜也

そこに居合わせた幼馴染の松山ケンイチ、島出身で新人駐在の神木龍之介。

復興に向け順調に歩みだしている島の名誉を考え、死体を隠し、殺人を隠蔽することになる。

 

ここまでは分かる!!

 

正当防衛として処理すれば良いではないかとの意見もあるかと思いますが

島おこしの目玉となるイチジク。

その農園で人が死んでしまった事が発覚すれば、この計画が頓挫してしまいます。

その為、島を守るために隠蔽することにする。

冷静ではないのかもしれないが、その判断に至るその気持ちはまだ、少し共感できる気がする。

 

しかし、その後。

新人駐在神木隆之介の歓迎会が行われ、3人とも呑気に出席。

死体はとりあえず大型冷蔵庫に隠したまま…

 

まあ、まだほぼ主賓が出席しないとなると、後で怪しまれる可能性もあるし

出席するまではまだ許せる!

 

そして歓迎会が終わって…

子供と帰り道でかけっこしてその夜が終わり。

次の日へ…

 

おい!!!

歓迎会終わったらすぐに3人で集まって死体処理しろよ……

 

案の定、次の日にはなんやかんやで本庁の刑事が元受刑者を探しに島に来ます。

(なんやかんやは割愛します)

 

まずもって犯人側3人に緊張感がない。

 

クライムサスペンスって追う側と追われる側の駆け引きだったり、捕まる捕まらないの緊張感を楽しむものだと思うのだが…

 

特に今回は主人公が追われる側なのだから、観客に対しては、「この人たちは捕まってほしくない、犯罪は犯したけど頑張れ!」

と感情移入させないとダメなのに

 

なんか島の為に!家族の為に!

この死体は見つかってはいけない!

って言うわりには行動が伴っていないような気がする。

観客からすれば、こんな奴ら捕まって当然だろ!って思ってしまう。

 

これは映画の構成がまず下手だと思います。

元受刑者が現れて、殺してしまう。

タイトルバック【ノイズ】

でこれからどうなるのだろうかとワクワクしている所に歓迎会。

 

歓迎会に仕方なく出席するにしても、落ち着かない様子とかはあんまり感じられないし(犯罪者とはいえ、人を殺しているのだから、もっと動揺してたり、動揺を隠そうとしてたりする様子を見せてほしい)

 

呑気に今後の島の発展に浮かれやがって、その後、子供とかけっこしだすし

 

冒頭で見る気になったのに、わざわざトーンダウンさせて、観客をスーと物語から引き離す。(原作漫画でそうなってたのかもしれませんが)

 

例え、原作でそうだとしても映画の構成としては逆だろ!

 

主人公たちの現状、島が置かれている状況(過疎化、イチジク産業)などを簡潔に表現して説明。

その後歓迎会でさらに登場人物たちの思いを表現。

このイチジクで島おこしを実現して、島の皆に恩返しをしたいんだと

 

その後、その希望を打ち砕く存在【ノイズ】が現れてしまう。

 

希望

絶望

 

そこからノンストップ、クライムサスペンス。

の方が絶対自然だし、盛り上がると思います。

とにかく構成が下手くそです。

 

なのでもう一つ引っかかった件

元受刑者が、島に連れてきてくれた保護司を殺害し

その後、畑に車が突っ込んで停車しているのに一日中放置され

次の日に見つかった件。

 

いくら田舎とはいえそんな事ないだろう!と思っていたので…

 

例えば、どうしても歓迎会入れたいなら(不要だと思いますが)

歓迎会 → 次の日保護司と受刑者が島に来る → 保護司殺害される

→車が見つかり死体が見つかり通報される→神木駐在本土に連絡する。

→受刑者と藤原竜也対峙する→殺してしまう→事前に通報を受けていた本土の刑事が島

に着く→急ぎで死体を隠蔽する

 

の方がドキドキすると思うし自然な流れだと思います。

 

他にも簡潔に緊張感がない主人公たちの行動。

 

〇捜査会議の様子を出席した神木のスマフォでスピーカーで情報共有。

 それをイヤホンも使わず、トラックの運転席で窓を開けて視聴。

 農園には自分たち以外だれも来ないと思っているんだろうけど

 もしも誰かに聞かれたらどうすんだ!

 慎重さが足りない。

 

〇島の長老的ポジションの人にすぐに死体を匿っている事がばれる。

 そんなすぐばれんなよ!

 

〇うっかり神木が「死体」が見つかりませんねなどの発言をする。

 まだ元受刑者は生きている可能性もあるのに、しかも誘導尋問でもなんでもなく

 自分からいらん事口走る。

 

〇死体を結局最後まで上手い事処理できず。

 本気なら松山ケンイチは猟師なんだから、バラバラにでもなんでもして

 処理せろよと思う。

 

また、緊張感のない犯罪者側と呼応するかのように

②の風貌だけ優秀な刑事永瀬正敏の登場。

 

早い段階で藤原竜也がこの事件に関与していると見抜く永瀬…

 

優秀じゃないですかー!

 

なら、なぜ藤原竜也たちを尾行しないの!

 

永瀬に怪しまれてからも藤原竜也たち3人は昼夜を問わず

隠蔽会議。隠蔽工作を進めます。

それも前述のようなしばし、緊張感・慎重さに欠ける行動で…

 

ほんの少しでも行動を部下に見張らせるなどの行動があっても良いのでは?

 

そのマークされている中での犯人側の捜査のかわし方、刑事側の緻密な捜査

クライムサスペンスの見どころなんじゃないの?

刑事側はゆるゆるだし、犯人側はやりたい放題。

 

これじゃハラハラするわけがない。

どこを見どころとしてこの映画を楽しめば良いかが、制作側は何を見せたいのかが

まったくわからない。

 

そして極めつけは、島民のある言動で永瀬刑事が死体の隠し場所がわかり、その現場に向かう。

まあ、その場面も別にすごいトリックや伏線があるわけでもなく…

ただ単に島民のうっかり発言。

白ける…

 

そして、現場に向かう前に永瀬刑事は神木駐在に

「今から死体の隠し場所に向かう!お前も来い!すべて知っているんだろ!」

的な電話をする。

 

…なぜ?

 

事件に関わっている神木駐在が仲間の藤原竜也松山ケンイチに連絡するかもとは

なぜ考えない?

 

でも、一応敏腕刑事風に描かれているから、何かしら作戦があるのか…?

 

死体が隠されていた大型冷蔵庫にたどり着く永瀬。

死体がない!

驚く永瀬刑事……

 

そりゃそうだろ!!

 

結果として、別に神木駐在から伝達があったわけではないが、犯人グループが

たまたま死体隠し場所を移していたのだが、重要なのはそこではなくて

 

永瀬刑事、あんた何が目的で神木駐在に電話したの…

死体隠し場所がわかったなら、こっそり捜査すればいいじゃん…

なんの作戦もなかったのね

結果、死体がなくてあの渋い色気のある顔で驚く永瀬刑事、これじゃギャグだよ…

 

永瀬正敏さんはカッコよくて渋い俳優さんで、永瀬さんが悪いわけでは決してない!

のですが、このくそ脚本とくそ演出のせいで

永瀬さんの渋さや色気が逆にミスマッチというか、滑稽に描かれてしまうというか…

永瀬さんが可哀想だよ!

 

ガム噛んで、リーゼントで、一匹狼的な風貌だしといて…

それで大した捜査能力、推理力ないんかい!!

コントのキャラクターみたいで笑える。

 

あとは③の安易なサイコパス描写。

これは後程④にも繋がるのですが、まずは島の町長「余貴美子

島の復興に尽力し、なんとしてもイチジク産業で国の補助金を引っ張ってきたい

それで疲弊してしまい、心が病んでいる様子。

そして、刑事側より先に藤原竜也たちが死体を匿っていることに気付き

3人の中で、一番存在価値がある藤原竜也を犯罪者にするわけにはいかないので

松山ケンイチ、もしくは神木隆之介に自主するように指示をする…

 

まあ、理解できる。

 

人間としてどうなのという部分はあるが

利己的に考えれば、まあ分らんでもない理屈。

ただ、その時の余貴美子立ち振る舞いが良くわからん

 

唐突に歌いだして、陽気な様子で3人にその指示を出すのだが

ここは別に町長が島の復興活動に疲弊して、ちょっとおかしくなってる描写いらなくない?

 

ここはシリアスなトーンで3人に指示を出す町長の方が、冷酷さが表現出来て

場面がピリッと引き締まるんじゃないかなぁ?

または過疎化した田舎での上辺だけの繋がり。

実は利己的な集団だということを表現するなら

(これがもう一つのテーマだったはず)

ここはしっかりと表現する場面だろう、逃しちゃだめだろうと思いました。

 

なんか、日本映画って安易にサイコパスな人物を出したがるけど

(または役者の演技力を無理やり際立たせようとする)

そんなのこの場面ではいらないよ?

 

なんか、陽気に振る舞う余貴美子の様子が浮足立って、この場面に全然合わないし

これまた緊張感を逃してるんだけど…

その後、玄関を出ると長老的ポジションの柄本明にナタでいきなり殺されるし…

(この場面は最高でした!!すっんごいシュールなコントです)

それも共感できないですしねー

そんなバカバカ殺すなよ…とは思います。

 

そしてもう一人、松山ケンイチ

これは④にも繋がるのですが、この映画は結論からいうと

藤原竜也は捕まります。

 

親友である松山ケンイチが死体が埋められている場所を、町長の携帯を使って島民に

一斉メール送信。

警察が死体が埋められているイチジク農園を捜査し、死体が見つかり

藤原竜也が逮捕となります。

(それもなんだかなーって感じです。)

 

なぜ、親友の松山ケンイチがそのような行為に及んだかというと

藤原竜也の妻、黒木華に恋心を抱いており

嫉妬心からそのような行為に及んでしまったとの事。

(物語の登場人物は永瀬刑事だけがその事に気付いています)

 

藤原竜也が捕まった後、松山ケンイチの部屋が映し出されます。

するとそこには部屋の壁いっぱいに、黒木華の写真がいくつも貼られていました。

 

え……って感じです。

 

また安易にサイコパス表現に走りましたね。

 

だいたい、そんな部屋いっぱいに写真貼るようなやつなんて

そんなすごいストーカーが、今までなんの行動もしないわけがないでしょ。

じゃあ、松山ケンイチがなにをしたかというと、イチジク農園に死体を隠すように藤原竜也を誘導して、元受刑者の履歴書の封筒を藤原竜也の家の前に落として、刑事に見つかるようにして、町長の携帯で一斉メールして死体の隠し場所をばらす。

 

うーん、なんかしょぼくね?

 

描写と実行した行動のスケール感が合ってないような気がします。

 

むしろ嫉妬で藤原竜也を憎んでいるはずなのに、今回の一件が起こるまでなんの行動もせず、農園を手伝い、娘の面倒も一緒に見てやってたり、ただのいい人じゃん。

 

変に狂ったキャラクターを作ろうとしなくて良いのに

むしろ、作品のテイストからいけば、観客がリアルの世界で接するかもしれない

普通な人たち、その人が極限状態になると変わってしまうんだよって表現の方が

普段、観客が過ごしている日常に「ノイズ」が入り込み、平和な日々が脅かされる

そっちの方が怖さが伝わってくるかと思います。

 

とにかく、いらん描写ばかり付け加えて台無しです。

(脚本が悪いのか?原作が悪いのか?演出が悪いのか?)

 

そして最後に④の丁寧すぎる説明描写。

今回の松山ケンイチ藤原竜也をハメた事について

劇中でネタばらしがあった時、おそらく観客のほとんどはこう思ったはず…

 

まあ、そうだよね!

 

だって、くどいくらいに藤原竜也に嫉妬心を抱いている描写をところどころ

盛り込んでくるんだもん…

 

途中、あまりにもあからさまなので「ミスリード」では?と逆に深読みしてしまったくらいです。

 

なぜ日本映画はここまで作品に水を差すようにあからさまに説明描写を放り込んでくるのか?

 

それは結局、観客を舐めているからだと思います。

 

ここまで丁寧に説明しないと観客はわからないだろう!

話を複雑にすると観客がついていけないだろうから、これくらいにしとこう!

とかこの映画を見ていると作り手側の不真面目さがビシビシ伝わってきてとにかく腹立たしくなりました。

 

なんだろう?

邦画の年間上演スケジュールとか、制作ノルマとかあるのだろうか?

(年間~本は作らなくてはいけないとか)

 

そういったノルマとかの穴埋めのためにとりあえず作った感がある。

人気の俳優を配置して、宣伝バンバンやりゃとりあえず売れるだろう!

みたいなのが伝わってくる。

 

また、原作を見ていない身でいうのもなんですが、言いたい事がある。

この「ノイズ」って漫画、売れてんの?

 

こういう小説とか漫画とかを原作にして映画化するのって

ある程度、話題になった作品とか賞を受賞した商品にしてほしい。

だって全3巻の漫画だよ?

長く続けば良いわけでもないけど…

ちょっと連載されてたミステリー漫画でしょ?

まあまあ面白かったとしても

そんなの星の数ほどあるんじゃない?

 

映画の脚本不足でとりあえず、映画にしやすそうだから、やっとくかー感が強い。

 

私がこの映画を見て感じた事は総じて

 

・とりあえず

・こんくらいにしとくか

・これで良いだろ

 

のような作り手たちに一切の情熱を感じることができない

サラリーマン制作陣のノルマ穴埋め量産型くそ映画!でした。

 

4段階評価で言えば

【旧作DVDで暇な時に見るぐらいの映画】となります。

 

新作DVDで借りるのもちょっともったいないくらいの出来でしたねー

 

休日、なにもする事が無くてゆるーく

クライムサスペンスとしてではなく、すごくシュールなコントとして

見れば良いかと思います。